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伊東が入隊してから早いもので年が明けた。伊東はあれから特に何をしかけてくるわけでもなく、しかし日向も伊東をなるべく避けていた。
「近藤さん、お茶をお持ちしま「私は反対です!!」
廊下から近藤に言われて持参した三つのお茶。それを持って近藤の部屋に来たのだが、声を掛けたところで中から大きな声に遮られてしまった。
山南さん??
不思議に思いながら再度声を掛け障子をあけると三人が向かい合って話をしていたのだが、山南は珍しく怒った顔をしていた。それを近藤が困っていたが日向が入ってきたことによって安堵の笑みを浮かべた。お茶を出している時も、山南と土方は睨み続けていた。
「私は反対です。なぜあそこなのですか!」
日向がいてもお構いなしに話す山南に土方は軽くため息をつきながら呆れた顔をする。
「あそこが一番良いだろう。いつまでも手狭なここから移動しなければならない。ならばあそこが一番だろう」
「しかし!」
「まぁまぁ山南さん」
近藤が困って山南を宥めるが山南はおさまらないようだ。
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