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なんでもっと早くに気付けなかったんだろう?
急に焦りが出てきた。それから毎日、時間を作っては山南の部屋に入り浸るように通っていた。そんな日向を見て周囲は鬼の土方より仏の山南に心変わりしたと噂をしていた。
「最近、お出かけにならないんですね。」
お茶をすすりながら言う日向に苦笑いをした山南。
「そんなんじゃ明里さんもさびしがってますよ?」
日向が明里の名を出したとたん珍しく山南がお茶を吹いた。慌てているようでまだむせ込んでいる。
「コホッ、日向、それをどこで…」
「え?あぁ、山南さん。私はどこから来たんでしたっけ?」
いたずらっ子のように笑うと山南は諦めたように笑った。
「では…これからの私も知っているのですよね。」
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