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「今回、土方君は西本願寺への移転が望ましいと頑なに譲ろうとはしない、しかし、あそこは…。私達血で汚れたものが居着いて良い場所ではない。私はそう考えている。しかし…。近藤さんも土方君に任せると言っているし…。総長になったとしても、近藤さんは全て土方君に任せている。私は…名ばかりの総長なんだよ…」
悲しみに包まれた瞳で話す山南。そんな山南の手を包み込むように取る。山南が驚いて顔を上げるとそこには涙を浮かべた日向の笑顔。
「山南さん。私が言うのは筋違いかもしれません。でも…伝えなければ人の心は伝わりません。だから私の口から告げさせてもらいます。」
「総長に推したのは土方さんです。でも、土方さんは一番に山南さんを、山南さんのことを考えています。」
「土方君が?まさか。だって彼は…「違いますよ」
山南の呟きを日向が遮った。
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