別れ

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「土方さんは…誰よりもあなたを心配しているんです。…以前話してくれましたよね。斬る以外にも方法があるのではないかって。」 「あぁ。そんな話もしたね。」 山南が懐かしむように言う。 「その頃から、山南さんの変化を土方さんは気が付いていました。そして、伊東さんが入ったことによって、あなたを総長に推したんです。人を斬るところから遠ざけるように。」 「遠ざける?」 「えぇ、あなたの考えを土方さんは分かっていました。でも、そんな考えを持ったままではいざ斬りあいになった時、真っ先に死んでしまう。だったら死から遠い総長という場所にいれば斬りあいには参加しなくてよいことになります。だから土方さんは総長に推したんです。」 「土方君が…」
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