別れ

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山南は部屋で最後の時を待つ。永倉や原田が必死で説得したが山南は笑顔で死に挑んだらしい。 日向は山南に最後の別れも言えぬままその時を迎えた。 昼が過ぎた頃、女性の泣き叫ぶ声が聞こえた。おそらく誰かが明里を連れてきたのだろう。最初は驚いたが、明里の存在を知っていた日向は納得するとただ部屋の真ん中にじっと座っているだけだった。 西日が差し込み始めたころ、外で声がすると障子が開いた。そこには疲れた顔をした土方がいた。見張りを外したということは全て終わったのだろう。土方は日向の前に座るとじっと見つめた。 「山南は立派だった」 そういうと日向を抱きしめた。
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