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山南が切腹し、しばらくすると屯所内はまた慌しい雰囲気になる。兼ねてから話合いの行われていた屯所移動だ。
西本願寺への移転、その準備に追われる日々だった。
そして新しい屯所へ引っ越しが終わるとやっと一息ついた。そして久しぶりに縁側でお茶を片手に空を見上げていた。
「日向ちゃん、やっと立ち直ったみたいだなぁ」
「そうそう。この間やっと笑ってくれたぜ?」
「しかし、山南さんがいなくなってまた土方副長とより戻したのかなぁ?」
「知るかよ、」
「戻ったんじゃねぇの?」
「あっちこっちとせわしない女だよなぁ」
「馬鹿か。おまえ」
「なんでだよ」
「あれはあくまで噂だよ。元から日向ちゃんは土方副長の女だよ」
「はぁ?あれだけ毎日通っててか?」
「そうだよ。副長の誘いも断ったってきいたぞ?」
「それは…「何をしている!!」
ひときわ大きな声が聞こえるとバタバタと走る足音が聞こえた。きっと隊士達が噂話をしていたところ、誰かに咎められたのだろう。
変わらず噂は流れていた。
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