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ここは雷亜(ライア)王国の一角、雷翔天(ライショウテン)の崖。
登ることはほぼ不可能といわれるほど、高く、そしてけわしい崖に、一つの小さな家があった。
辺りを静寂と漆黒が支配する中で、その周囲だけがぼんやりと明るく、音が聞こえる。
二人の若い男女の声だ。
「この子からは、全く魔力を感じない!落ちこぼれよ!」
「本当だ!こんな事が周囲に知られてみろ!大変なことになる!」
その家の小さなベッドには二人の赤子がすやすやと寝息をたてて眠っている。
双子であろう、その赤子は泣くこともなく、熟睡していた。
親の声も聞こえないようで、起きる気配は無かった。
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