14人が本棚に入れています
本棚に追加
昼休み―――
若奈とあたしは屋上にいた。
若奈はずっと黙ったまま。
多分気を遣って、あたしから話そうとするのを待ってるんだろう。
結「あのね…」
若「何?なんでも話してごらん。」
若奈の優しさがありがたかった。
近くにいてくれてよかった。
結「小2の時にね、修と結婚の約束をしたの。でも修はそのこと忘れてるらしくて…今日の朝、『結花はありえない』って言われたんだ…」
若奈は黙って聞いていた。
若「辛いね……でも小さい時の約束は忘れちゃう人もいるじゃない。鈴木が『ありえない』って思うのは結花が近くにいすぎるからだと思うよ。ちょっと離れてみたらどう?意識してくれるようになるかもよ!」
『離れてみる』
なんて考えたこともなかった…。
若「まぁ…あくまで、あたしの考えだけどね!」
結「若奈ありがとう!!何かスッキリした!」
若「いえいえ!あと自分の気持ちは伝えたほうがいいと思うよ。」
結「でも……」
若「でも…関係が崩れたら嫌だ…でしょ?そりゃあ誰だって怖いよね。でもその一歩を踏み出すから付き合えるんじゃないの?」
若奈の言う通りだ。
あたし…逃げてるだけなんだ。
若「結花、頑張って!最終的にはこれしか言えなくなるけど…応援してるから!!」
結「若奈~…」
若「ほら~泣かないのっ!!」
若奈は満面の笑顔だった。
そうしてあたし達は教室に戻った。
最初のコメントを投稿しよう!