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結花はいつも俺の側にいた。
―――『修くん!!』
一瞬頭の中をよぎった記憶。
女の子が俺の名前を呼んでる。
『―――ちゃん!!』
俺は笑顔で振り返る。
ちくしょー。
肝心な名前だけ出てこねえ。
…結花なら何か知ってるかな?
相談してみるか。
修「なあ結花…」
結「何?」
ちょっと先を歩いてた結花がこっちを向いた。
修「最近よく同じ夢を見るんだ。結花と2人でよく行った陸橋の下で俺が女の子に『大きくなったら結婚しよう!』って言ってるんだ。」
一瞬結花の顔が哀しくなった。
結花からの返事がない。
修「結花?」
結「あっ…ごめん。修はその子とした約束覚えてるの?」
修「内容は少しだけ…誰としたかは全く覚えてない。」
結「そっか…そうだよね。」
さっきから結花が哀しそうだけど…どうしたんだ?
修「結花まじでどうかしたのか?」
結「大丈夫だって!!ほら!急がないと遅刻するよ!」
結花が子供っぽい笑顔を見せた。
そして、俺達は学校に向かって走りだした。
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