8169人が本棚に入れています
本棚に追加
/490ページ
「おっと、少し話しが逸れたな……確かに5対5だとメンバー以外の他の生徒の実力は見れないな。
だがそこは別に気にしなくていいんだ。
メンバーを選出する際は、そのクラス内での評価が平均的な奴だと決められていてな。
そいつらを見れば大体の実力は判るって訳」
ふぅ、こんな長い説明久々したな……と言ってアルスは一息つく。
「なら極端に低い奴が居たらどうするんだ?」
「あ?……ああ、そういう奴らは長期休暇の約9割を補習に当てられる事になってる」
もう質問は無いかぁ?とアルスが聞くと、終夜は縦に首を振った。
「んじゃ、改めてメンバーを言うぞー。
一人目、獅藤慎治」
「え~めんどくさい」
慎治が机に突っ伏しながらそう言った直後、彼目掛けてアルスの手からボールペンが放たれた。
「痛っ!?」
ボールペンは空を裂き、見事に慎治の眉間に命中する。
「~っ!!」
余程当たり所が悪かったのか、慎治は命中した個所を押さえて悶絶する。
「次に何か言った奴は二発行くからな~。じゃあ次のメンバーの発表だ。
二人目、皇杞紫遠」
アルスが紫遠に視線を向けると、紫遠は無言で頷いた。
「うんうん、物分かりの良い奴は得するな。じゃあ次だ!
三人目、大神陸人」
「よっしゃ!」
アルスの言葉を聞き、右目に黒い眼帯を付けている男子生徒がガッツポーズを取った。
「おっ!やる気があるな……じゃあ次いくぞ。
四人目、鈴野かなで」
「あ、あたしか!?」
桃色の髪をした一人の女子が、驚きの声をあげる。
「なんだ鈴野、お前もコレを所望か?」
アルスはボールペンを二つ、顔の前にちらつかせる。
「是非やらせて下さい」
「よ~し、じゃあ最後のメンバーの発表だ。
五人目、萩原魅琴」
「……」
魅琴は自分の名を呼ばれたが反応せず、俯き黙り込んでいる。
「ん?萩原ー聞こえてるか?お前が最後のメンバーだぞ」
「魅琴……呼ばれてる」
「……え?あっはい!」
後ろの席にいる紫遠の声で、ようやく魅琴は反応した。
「大丈夫かお前……どこか体調でも悪いのか?」
「い、いえ!大丈夫です…」
魅琴は首を横に振り、否定の意を示す。
「なら今言った五人が代表だ!お前ら気合い入れていけよ!じゃあ今から時間まで、自由にしてて良いぞ!」
最初のコメントを投稿しよう!