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「魅琴、お前なにボーッとしてたんだよ」
慎治が魅琴と紫遠の元に近づく。
「うん……ちょっとね」
「……前みたいな事にはさせないさ。今回は俺や紫遠が居るんだ、安心しろ」
「……そうだよ魅琴。僕が居るから…大丈夫だよ」
「ありがとう、紫遠ちゃん」
魅琴は紫遠に笑顔を見せて言った。
「なあ、今の内に他の二人のメンバーとも話しとかないか?親睦も踏まえて」
慎治が近くの空席に座り、二人に提案する。
「それもそうだね」
魅琴はそう言って頷き、紫遠もそれに続くように小さく首を縦に振った。
「よし、じゃあ俺が二人を呼んでくるわ」
慎治はそう言って椅子から立ち上がり、まずは大神を呼びに向かった。
「なあ大神。同じメンバー同士、少し話さないか?」
慎治は机に突っ伏している大神に声を掛ける。
「んあ?……ああ、獅藤か。俺に何か用か?」
眠たそうに左目を擦りながら、大神陸人は慎治に聞き返した。
「俺たち対抗戦のメンバーだろ?だから少し話しをしたいなって思ってな」
「おう!別にいいぜ!俺も前から、一度お前とは話したいと思ってたからな」
陸人は人懐っこい笑みを慎治に見せる。
「なんだそうなのか。ならどうして、今まで話し掛けて来なかったんだ?」
「だってお前、いつもあの二人と居るだろ?なんか話し掛けづらくってよ」
陸人は魅琴と紫遠に視線を向ける。
「あ~まあ言われてみればそうだな。でもあの二人なら、別に気にしないと思うぞ」
「そっか……なら次からはめっちゃ絡みに行くからな!」
「ハハッ!楽しみにしといてやるよ。……じゃあ後は鈴野だな」
「あっ鈴野なら俺が呼んで来てやるよ。俺、あいつとは多少面識があるから」
陸人は勢いよく立ち上がると、じゃあ呼んで来るな!と言って鈴野の元に向かって行った。
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