五章

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「魅琴、お前なにボーッとしてたんだよ」 慎治が魅琴と紫遠の元に近づく。 「うん……ちょっとね」 「……前みたいな事にはさせないさ。今回は俺や紫遠が居るんだ、安心しろ」 「……そうだよ魅琴。僕が居るから…大丈夫だよ」 「ありがとう、紫遠ちゃん」 魅琴は紫遠に笑顔を見せて言った。 「なあ、今の内に他の二人のメンバーとも話しとかないか?親睦も踏まえて」 慎治が近くの空席に座り、二人に提案する。 「それもそうだね」 魅琴はそう言って頷き、紫遠もそれに続くように小さく首を縦に振った。 「よし、じゃあ俺が二人を呼んでくるわ」 慎治はそう言って椅子から立ち上がり、まずは大神を呼びに向かった。 「なあ大神。同じメンバー同士、少し話さないか?」 慎治は机に突っ伏している大神に声を掛ける。 「んあ?……ああ、獅藤か。俺に何か用か?」 眠たそうに左目を擦りながら、大神陸人は慎治に聞き返した。 「俺たち対抗戦のメンバーだろ?だから少し話しをしたいなって思ってな」 「おう!別にいいぜ!俺も前から、一度お前とは話したいと思ってたからな」 陸人は人懐っこい笑みを慎治に見せる。 「なんだそうなのか。ならどうして、今まで話し掛けて来なかったんだ?」 「だってお前、いつもあの二人と居るだろ?なんか話し掛けづらくってよ」 陸人は魅琴と紫遠に視線を向ける。 「あ~まあ言われてみればそうだな。でもあの二人なら、別に気にしないと思うぞ」 「そっか……なら次からはめっちゃ絡みに行くからな!」 「ハハッ!楽しみにしといてやるよ。……じゃあ後は鈴野だな」 「あっ鈴野なら俺が呼んで来てやるよ。俺、あいつとは多少面識があるから」 陸人は勢いよく立ち上がると、じゃあ呼んで来るな!と言って鈴野の元に向かって行った。  
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