8169人が本棚に入れています
本棚に追加
/490ページ
「…なぁ終夜、お前は今年で何歳になった?」
「…親父、いきなりなんだ?」
「いいから、今年で何歳だ?」
「…一応17だが…」
自分の息子の歳くらい覚えとけよ。
「…そうか。なら終夜、学園に通ってみてはどうだ?というか通え」
「…命令かよ」
終夜は呆れた声を出して父親を見た。
父親は気味の悪い笑みを浮かべながら終夜を見詰め返す…。
「……ハァ、まぁいい…通ってやるよ。学園」
「…珍しいですね、マスターがその人の言う事を素直に聞くなんて…」
氷劉が驚きの表情を浮かべながら終夜に言う。
蛇だから驚いているのかは判らないが…。
「…たまにはな。それに何もやる事がないから…暇潰し程度にはなるだろ」
「それもそうですね」
氷劉はそう言って相槌を打った。
「親父、俺はどこの学園に入ることになるんだ?というか入れるのか?」
「…学園はここにある一番でかいシルフォード学園でいい。そこの学園長は俺の同期でな、前からお前のことは話していたんだ」
父親は笑みを浮かべながら終夜の問いに答える。
「そしたらあいつに、是非この学園に入れさせてくれと頼まれてしまってな。つい承諾してしまった」
「いきさつは判ったし、学園はどこでもいいから問題は無いんだが…親父、知り合いいたんだな」
「そこかよ!?」
「じゃあ次の質問だ」
「無視!?」
…うっさい父親だな…。
「そこに入るのに何か試験みたいのはないのか?」
流石に知り合いの息子だと言っても、試験も何も無しっていうのはないだろ。
「判らん」
「……は?」
「だから判らん。あいつからはそこまで話しは聞いてなかったからな」
父親は悪びれた様子もなく終夜に話す。
「なら俺はどうすればいいんだ…」
「簡単だ。直接学園に行けばいい」
最初のコメントを投稿しよう!