一章

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「…なぁ終夜、お前は今年で何歳になった?」 「…親父、いきなりなんだ?」 「いいから、今年で何歳だ?」 「…一応17だが…」 自分の息子の歳くらい覚えとけよ。 「…そうか。なら終夜、学園に通ってみてはどうだ?というか通え」 「…命令かよ」 終夜は呆れた声を出して父親を見た。 父親は気味の悪い笑みを浮かべながら終夜を見詰め返す…。 「……ハァ、まぁいい…通ってやるよ。学園」 「…珍しいですね、マスターがその人の言う事を素直に聞くなんて…」 氷劉が驚きの表情を浮かべながら終夜に言う。 蛇だから驚いているのかは判らないが…。 「…たまにはな。それに何もやる事がないから…暇潰し程度にはなるだろ」 「それもそうですね」 氷劉はそう言って相槌を打った。 「親父、俺はどこの学園に入ることになるんだ?というか入れるのか?」 「…学園はここにある一番でかいシルフォード学園でいい。そこの学園長は俺の同期でな、前からお前のことは話していたんだ」 父親は笑みを浮かべながら終夜の問いに答える。 「そしたらあいつに、是非この学園に入れさせてくれと頼まれてしまってな。つい承諾してしまった」 「いきさつは判ったし、学園はどこでもいいから問題は無いんだが…親父、知り合いいたんだな」 「そこかよ!?」 「じゃあ次の質問だ」 「無視!?」 …うっさい父親だな…。 「そこに入るのに何か試験みたいのはないのか?」 流石に知り合いの息子だと言っても、試験も何も無しっていうのはないだろ。 「判らん」 「……は?」 「だから判らん。あいつからはそこまで話しは聞いてなかったからな」 父親は悪びれた様子もなく終夜に話す。 「なら俺はどうすればいいんだ…」 「簡単だ。直接学園に行けばいい」  
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