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「……。ここが俺の通う学園か」
(通う予定、ですけどね)
現在、終夜の眼前には馬鹿でかい、とまではいかないまでも、普通の学園と呼ばれるものよりは大きい建物がそびえ立っている。
(確か名前は……)
「シルフォード学園だ」
終夜は氷劉の疑問に答えると、正面にある門をくぐり、学園の敷地へと足を踏み込んだ。
すると辺りに機械音が鳴り、終夜を取り囲む様に地面から鎗が突き出てきた。
「……ん?」
突き出てきた鎗を見て、終夜は小さく声を洩らす。
「……取り敢えず、通行の邪魔になるな」
(マスター、何が取り敢えずなのか判らないのですが……)
「……。通行の邪魔になるな」
(スルー!? マスターが私のことをスルーした!?)
氷劉はおいておくとして……。まずはこの鎗か。
「……。『ボックス』」
終夜がそう唱えると、横の空間に亀裂が入る。そしとその中に終夜は腕を入れた。
ごそごそと何かを漁る終夜。すると彼は亀裂の中から一振りの鉄刀を取り出した。
刀の刀身が全て出た後、亀裂は音も無く、自然に塞がっていった。
「……人の通行を邪魔するとはな」
終夜はそう言って、手に持つ刀を横に一閃した。
すると同じ鉄で出来ている鎗が、いとも簡単に切れ、地面を無惨にも転がった。
「さて……。行くか」
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