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「次に俺がしていることだが……。この扉の結界を壊している最中だ」
「結界──?」
「ああ。さっきも言ったが、扉の周りだけ矢が落ちていないだろ? しかも全て、扉から一定の距離に落ちている」
氷劉はそう言われて、もう一度床を見た。
確かに終夜の言う通り、矢は扉から約1メートル程の所に落ちている。
「確かに。ならこれらの矢は、結界によって弾かれたということですよね?」
「ああ」
頷き答えた直後、終夜は掲げていた手を下ろした。
「結界は破った。後はこの扉に罠が無いかだが……、どうやら無いみたいだ」
「……マスター、疑問なんですけど……何故学園の校舎に罠があるんでしょう? しかも監視の魔法、さらには結界まで……」
氷劉は刀が刺さったままの壁から、結界が張ってあった扉に視線を移しながら終夜に言う。
「大体の予想はついてるが……詳しい説明は、中にいる奴にして貰う」
そう言うと、終夜は静かに扉を開いた。
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