二章

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「次に俺がしていることだが……。この扉の結界を壊している最中だ」 「結界──?」 「ああ。さっきも言ったが、扉の周りだけ矢が落ちていないだろ? しかも全て、扉から一定の距離に落ちている」 氷劉はそう言われて、もう一度床を見た。 確かに終夜の言う通り、矢は扉から約1メートル程の所に落ちている。 「確かに。ならこれらの矢は、結界によって弾かれたということですよね?」 「ああ」 頷き答えた直後、終夜は掲げていた手を下ろした。 「結界は破った。後はこの扉に罠が無いかだが……、どうやら無いみたいだ」 「……マスター、疑問なんですけど……何故学園の校舎に罠があるんでしょう? しかも監視の魔法、さらには結界まで……」 氷劉は刀が刺さったままの壁から、結界が張ってあった扉に視線を移しながら終夜に言う。 「大体の予想はついてるが……詳しい説明は、中にいる奴にして貰う」 そう言うと、終夜は静かに扉を開いた。  
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