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「けど終夜君には驚いたよ。まさか壁に埋め込む様にしてた鏡に気づくなんてね」
「一定の間隔で壁に矢が当たらない様になっていた。何より微かだが魔力が漂ってたからな。鏡の位置は──勘だ」
終夜は説明した後、小さく欠伸をする。
「ふーん、そうなんだ」
神藤は部屋の壁を見渡しながら、興味なさげに呟く。
「あ、そろそろ話しを戻すね」
思い出した様にそう言うと、学園長室を見渡している終夜を見た。
終夜もその声に気づき、神藤を見る。
「まず率直に言うよ。白銀終夜、貴方をこのシルフォード学園の生徒となることを認めます」
「……判った。なら編入ということに──」
「あ、あれ? ちょっと待って」
手の平を終夜に差し出し、神藤は彼の台詞を遮る。
「なんで驚かないんだい? 普通なら、いきなり編入を認めるなんて言われたら驚くよね」
神藤は意外だったのか、目を軽く見開きながら終夜に訊く。
「……。人によるとは思うが、俺は何となく、今までの事が学園の試験みたいなものだと考えていた」
「……正解。本当に君は十七歳かい?」
「それでなかったら、この学園に通う必要も、来る必要もない」
「ふふっ、確かにね」
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