二章

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「因みにだけど、君の試験の結果は満点だからね」 神藤はそう言うと、上着のポケットの中から手帳を取り出した。 そして手帳をパラパラとテンポ良くめくり、ある一ページでめくるのを止めた。 「まず瞬時に状況を理解する速さ、いきなりの攻撃への対応」 神藤はブツブツと呟きながら、手帳に何かを書き込んでいく。 「そしてそれらを完璧に行動に移す事ができる能力、戦闘センス…うん!コレで良し!」 神藤は書き込んだ手帳を見て一度頷くと、書き込んだ部分の紙を切り離した。 そして手帳を取り出したのとは逆のポケットから、青いカードケースのような物を出してちぎった紙をそのケースに入れた。 「はい、終夜君のだよ」 終夜は差し出されたカードを受け取る。 「…頭脳A、体術A、センスA、魔法?、総合能力A…コレは何だ?」 「それは今回の君の試験の結果だよ。最高の評価がA…君は見ての通り魔法以外は全てAだから」 「つまり評価は高かったんだな」 終夜はカードから神藤へと視線をずらした。 「うん、ただ魔法は使わなかったから評価は出せないんだよね~」 「…魔法なら使っただろう。ほら、コイツがその証拠だ」 終夜は自分の後ろで、今まで黙り込んでいた氷劉を神藤に見せた。 すると氷劉はすぐさま終夜の後ろに隠れ、終夜の背中越しから神藤を覗き見た。  
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