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自室に入り、壁側にあるシングルベッドに腰掛け、彼は静かに息を吐く。
(お二人とも、相変わらずの様ですね)
「ああ。相変わらず、怠そうにしていたな」
そう言って、終夜は背中からベッドに倒れ込む。
(まあ、急に変わられても困りますけどね)
「そうだな……ところで氷劉、もう出て来ても構わないぞ。あの二人はお前の事を知っているんだしな」
(そういえばそうでしたね。ならマスター、お願いします)
「ん。『心解』」
終夜がそう唱えると、彼の胸の辺りから、ぼんやりと光る玉が現れた。
その玉は彼の周りをフラフラと浮いていたかと思うと、突然強烈な光を放ち──
「んー。マスターの部屋の匂いを嗅ぐの、久し振りです」
森の時と同じ様、宙に浮く白い蛇となった。
「終夜ー、ご飯よー!」
氷劉が現れたのとほぼ同時に、下から終夜を呼ぶ女の人の声が聞こえた。
「結局眠れなかった」とつぶやくと、彼は体を起こしてベッドから立ち上がる。
氷劉は、ベッドから立ち上がった終夜の首に巻き付き、彼は巻き付いてきた氷劉を撫でながら一階へと下りて行った。
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