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「おにたいじ?やだー、おじいちゃん行ってきてよ~」
おじいさんが鬼退治に行くなんて、そんな桃太郎のお話聞いたことないぞ。
「俺、桃太郎じゃなくて竜太郎だし、鬼退治とかめんどいからいや」
「いいから、行ってきてよ」
「もう、仕方ないなぁ」
半ば強引に鬼退治に仕向けたおじいさん。
鬼とは、最近村を荒らす悪者です。
「竜太郎、これ持って行きなさーい」
「たぐち、なにこれ?」
「きびだんごだよ」
しぶしぶ家を出た竜太郎、鬼ヶ島に向かい出発です。
出発はしたけれど…
「腹減った…」
まだ家を出て30分も経ってないのに…
「きびだんご食べよー」
きびだんごをひとつ口に入れた竜太郎。
そこへ…
「竜太郎さん、竜太郎さん」
「…聖、何してんの?」
「聖じゃねぇ!猿だ!」
「猿…ふふっ」
「笑うな!」
お猿さんの格好をした聖。
イメージ通り、お似合いです。
「きびだんご俺にもくれよ!くれたら鬼退治付き合うから!」
「…別にいい」
「はあぁ?」
猿に断りを入れて、また鬼ヶ島に向かって歩き出した竜太郎。
これじゃ、桃太郎の話と違うような…
「きびだんごうまい」
歩きながら、ひとつ…ふたつ…どんどん無くなっていくきびだんご。
「たっちゃん!」
「あ、かめー」
「たっちゃーん」
「かめ、なにその格好」
「キジだよ、似合う?」
「…微妙」
竜太郎の言葉にショックを受けるキジの格好をした亀梨。
「たっちゃん、俺も鬼退治行くよ」
「だめ!かわいいかめを連れてくなんてムリだから」
という理由でまたまた断った竜太郎。
なんだ、この桃太郎の話…
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