命の風

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―K side 「え?今、なんて言った?」 「だからぁ!妊娠した!」 「えっ?えぇえぇぇー!?」 「カメ!声大きい!」 朝早く楽屋に行ったら、たっちゃんが1人でいて目が泣いたあとのように腫れてたから理由を聞いたら… 妊娠って、妊娠だよな!? 妊娠、たっちゃんが…妊娠? 「たっちゃんって女…」 ゴツッと気合いの入ったパンチが俺のお腹に入った。 「カメ、俺マジメに話してんの!」 はい、すみません。 「これ、エコーの写真…もらったんだ」 1枚の写真には、白黒で本当に小さな命が映っていた。 たっちゃんのお腹に、いるんだ。 「男でも妊娠ってあるらしいんだよ、海外では当たり前なんだって」 「そうなんだ…びっくりだね」 「うん」 黙り込む俺とたっちゃん… ひとつ気になることがあるんですけど… 「たっちゃん、その…相手って?」 「はぁ?こーき以外いるわけないじゃん」 「そ、うですよねー」 聖とたっちゃんの子か…かわいいだろうな、たっちゃんの子だもん。 けど… .
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