1人が本棚に入れています
本棚に追加
「うわぁぁ」
声が裏返った。足が地面から30cmほど浮いている。それも動かせば動かすほど上昇しているようだ。
晴久は一旦止まろうとしたが、彼の意志とは反対に、足は動き続け、身体は住宅街を駆けながら浮上する。
「止まれっ、止まれよ」
握り拳をつくり、膝を殴りつけた。鈍い痛みに呻き声が漏れる。殴りつけた勢いでバランスが崩れ身体が前のめりになった。
このままいけば、顔面から1・2メートル先の地面へダイブすることになる。
晴久は思わず目をつぶった。
最初のコメントを投稿しよう!