始まり

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もし、真剣に事を受理したとして、ヘリコプターが救助に来ても、晴久の下半身は彼の意思に従って動いていない。 ロープか何かで足を固定しない限り、晴久は宙を走り続ける。 何より、救助が成功すれば、否応なしに身元を問われるだろう。家では母があんな状態だ。 事の行く末を想像すると、ブルッと身体が震えた。 むしろ、このまま成り行きに任せて進み続けたい。 夢なら夢で、それでいい。 否、できれば夢がいい。
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