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ついにつま先が橋の入口についた。
踵までつくと、勝手に走り続けていた足がピタリと止まった。
恐る恐る、一本前へ踏み出す。
動いた。
晴久の意思で動かせるようだ。
地上を仰ぐ。
目を細めてもさっきまでいた住宅街がどこかわからなかった。
だが、わかった所でどうにもならない事はわかっている。
橋の向こう側は白い靄がかかっていてよく見えない。
この先には一体何があるのだろうか。
何のために晴久はここまで来たのだろうか。
足はもはや棒切れのように感覚がない。
息も荒い。
だけど、進むしかないだろ?
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