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そこからは他にどうしていいかわからず今に至るわけである。
「珍しいなぁ、迷子かい?」
煉瓦の山からおじさんが顔を出す。オールバックの綺麗な白髪。豊かに蓄えた髭も、眉も一点の曇りのない白だった。
彰が返答に困っていると、おじさんは一人でに喋りだした。
「グルーセルから来たのかな。あぁ、全くもって珍しい。子供と出会ったのは本当に久しぶりでね。こんな辺境の地に親は子供を来させたくないんだろうね。それはともかく君は一人でここまで来たのかい?」
「あっ、あの」
あまりにも消え入りそうな声しか出なかったので、恥ずかしくなり口を詰むんだ。
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