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「あのぉ?」
弱々しい声で尋ねる。
「君、まさかパルグスの実をつけていないのかい?」
「えっ?パグル・・・」
おじさんは額に手をあて、信じられないとでも言うように呻き声を上げた。
「パルグスの実だよ。パルグスの実。これをつけないでよく森を抜けられたもんだ。おったまげた。この森はそこらじゅうゲストミナがうろついている。智之子(チェノ)がいるとはいえ、どうやってここまで無事に来たんだい?」
彰には、おじさんが何を話しているのか全くわからなかった。
「ぼ、僕、橋を渡って来ました」
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