プロローグ

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突然だがオレは死んだことがある。 中学2年生の時だ。 中学2年生の5月25日、特に何があるわけでもない普通の日、普通に登校していたら、普通にトラックにやられた。 まぁ、オレのせいだ。信号を無視して道路を渡ったからだ。 だが、強いて言えば、スイッチが入っているにも関わらずオレを起こさなかった目覚まし時計が悪い。 そして、薄れゆく意識の中、自分のくだらない十数年の人生を思い出し、生まれ変わったら信号無視はしないでおこうと思った。 完全に死んだ。 天国はなかった。 地獄もなかった。 川もお花畑も宝船もなかった。 白い。 白かった。 広くて白い空間にオレだけが存在していた。 悪くない。 むしろ、いい感じだ。 しばらくの間、なんとも言えないふわふわした気持ちでこの状態を楽しんでいたら、黒い点が見えた。 グッと目を細めて見ると、かわいらしいフリフリの白いワンピースを着た黒髪ショートの女の子だった。 その娘がスキップをしながらオレの前まで来てこう言った。 「ねぇ、人間としてこのまま死んじゃうか、神様として人生をやり直すか……どっちを選ぶ?」
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