111人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
琉海side
「ゴホッゴホッ…拓海…。ゴホッゴホッゴホッ…ハアハア…。」
奈々君の体調はどんどん悪くなっているようで、さっきよりも苦しそうだった。
「琉海、お兄ちゃんに薬飲ませたほうがいいかも。ちょっとまずいみたい…。」
梨奈の言葉に私はお兄ちゃんから受け取ったピルケースを開けて、ピンクの薬を梨奈に渡した。
お兄ちゃんは二人を相手に頑張っていた。
が、そのとき…。
「…ああ!!!…ぐっ…。」
その声にお兄ちゃんの方を見た。
お兄ちゃんは左目を押さえていて、押さえた手の隙間から血が滴り落ちていた。
「お兄ちゃん!!」
私はすぐにお兄ちゃんに駆け寄ろうとした。だけど…。
最初のコメントを投稿しよう!