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「来るな!!…大丈夫…だから…っ…。」
全然大丈夫そうには見えなかったが、私は立ち止った。
お兄ちゃんは両手で目を押さえながら立ち上がり、おばあちゃんの手からナイフを奪った。
「もう…いい、だろ?俺らは帰る…から。」
そのとき、音乃さんがいないことに気が付いた。
しばらくして、音乃さんが戻ってきていった。
「救急車を呼んだわ。結構かかるかもしれないけど、奈々も拓海君も危ないと思うから。あなた出血多量で死ぬわよ。」
音乃さんはハンカチを出して、お兄ちゃんの左目に巻いた。
そして、私たちに近づいてきて奈々の体を起こした。
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