111人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
俺らは電車に乗って、屋敷から一番近い駅に向かっていた。
奈々は久しぶりに外に出るらしくて少しはしゃいでいたが、すぐに具合が悪くなってしまい今は休んでいる。
「奈々、着いたぞ。」
駅に着き、奈々を起こして2人は歩き出した。
屋敷は山奥。これがかなりきつい。
半分程来た頃、奈々はきついといって座り込んでしまった。
確かに体の弱い、奈々にとってはかなりきつかったのだろう。
凄い汗に、蒼白になった顔色。荒い呼吸がそれを表していた。
――発作の前兆だ。
「大丈夫か?」
苦しそうに胸を押さえている奈々に話しかけた。
最初のコメントを投稿しよう!