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あたしは死んだと言うことに。
あたしはあいつを突き落としてしまった。そのときああたしはあいつに引っ張られて一緒に落ちた。あたしは頭が割れて、顔が潰れて、誰かになって死んだ。もう顔のないあたしはあたしじゃないと思った。両親はいつも帰らないあたしを心配していた。
声がする。聞き慣れた、キモい声。あいつだ。
「イッショニイコウヨ」
あたしはあいつに連れられて黄泉の国へと消えてゆく。
階段には二人の血のあと。
一人はあいつ、もう一人は誰か。そして、そこに充満する死の匂い。そして人を黄泉に連れ込むあたしとあいつ。
(了)
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