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ここは、とある世界のとある地方にある戦場。
数多ある屍の中にその青年はいた。
彼の様子はひどい有様で服はひどくボロボロだった。
そして体の所々には夥しい量の血が流れている。
今にでも輸血、治療をしなければこの青年は死んでしまうだろう。
だがそれは叶わぬ願いであった。
この戦争で軍医はすでに全員が死亡、そして附近には医療施設すら見当たらない。
この青年の命が事切れるのはもはや時間の問題であった。
そのことを理解しているのか青年は自虐的な笑みを浮かべている。
(伝説と謡われた傭兵もこれじゃ形無しか)
青年はそんなことを考えていた
。
(俺の人生って本当に下らなかったなぁ。殺して、殺して、殺して……ろくでもないものだったなぁ。せめて、せめて一つだけ我がままをいうなら、こんな腐った世界とは別なところに行きたい。そしてこの世界とは別な事をしてみたいなぁ)
やがて、青年の目は光を失いゆっくりと瞼が閉じられていった。
「その願いかなえてあげましょう」
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