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雨の打つ音が鳴り響く。
ゆっくりと目を開け、地面を見つめる。
その時、後ろから声をかけられた。
『そんな所いたら風邪を引くよ』
『──僕は彼の傍にいて良いのか解らない』
『じゃあ質問♪あなたは幸せかなぁ?』
『まだ…解らない。もし答が解った時はまた聞いてくれる?』
『ん、りょーかい♪』
一瞬、世界が変わる。空間が黒に染まっていき、目の前にいた人は消えた。
『アンタなんか──いらない』
バッと後ろに振り向くと、悪夢と同じ女性と幼い子供がいた。
『必要ないのよ、蒼音』
今、何て?
幼い子供が――僕?
『蒼音は……生きる意味なんてあるのかしら?』
幼い子供がこっちに振り向いて手を伸ばしながら口をゆっくり開く。
『 た す け て 』
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