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ゴリ
『もうすぐ修学旅行や。そうゆう訳で、修学旅行に向けての班や計画を立てるで』
高校二年の冬、私達はもうすぐ修学旅行で北海道に行く。
生まれて初めての北海道。
中には行った経験のある子も居るが、ほとんどの子が初体験らしく、教室は一瞬にして騒がしくなった。
麗
「ゴリ~!班とか自由に決めてえん?!」
ワイワイガヤガヤと騒ぐ中、手を挙げて質問した麗の額に、チョークが綺麗に命中した。
ゴリ
『だーれがゴリや。先生言え、先・生』
麗
「っ~;;…せ、せん…先生、班は…自由に決めて…良いんですか?」
綺麗にチョークの跡が付いた額を押さえながら、ぎこちなく尋ねる、麗。
思わず笑いそうになるのを堪えていると、至って普通のゴリが、これまた普通に言い返した。
ゴリ
『男女混合班なら、どんなんでも構わん』
麗
「よっしゃ!理香子ー、陽子、龍太ー!集合やぁ!」
うちらはアンタの子分か(笑)
陽子
「何やの、急に!あない叫んだら恥ずかしいやろ!」
出だしから顔を真っ赤にして切れる、陽子さん。
龍太
『…しゃーないって、橘。こいつ、アホやもん』
何故か陽子の分まで八つ当たりされたんじゃないかってくらい殴られる、龍太。
相変わらずな皆に、思わず笑顔が零れる。
麗
「あ、そうや…琢磨!アンタも、うちらと行動しーひんか?」
ドクンッ―
“琢磨”とゆう言葉に反応し、思わず目の前で雑誌を見ている彼に視線を移した。
麗ちゃんは意気揚々と彼に尋ねるも、彼はチラッとこちらを見ただけでまた直ぐに前に向き直る。
パラパラと先程までバイク雑誌を捲っていた手を止めれば、少し落ち着いた口調で返事を返してきた。
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