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今では当たり前のように町中を歩いている魔族と呼ばれる人(?)たちは、突然人間たちの前に姿を現した。
―――――10年前――――――
彼らが住みかとしていた世界、魔界はたった1人の少年によって崩壊の危機に面した。
強大な力を持つその少年は破壊の限りを尽くした。
魔族たちの王は、己の心と引き換えに少年を封印し、事は一件落着のように思われた。
しかし、少年によって失ったものは大きく、
緑豊かで美しかった魔界は、元の姿などは想像もつかないほど荒れ、
とても人が生きていけるような環境ではなくなってしまった。
そうして彼らはこちらの世界にやって来て
魔界が本来の姿を取り戻すまでの間、人々に魔法を教えるかわりに人間界に身を置くことを望んだ。
こうして
人は魔族と生活を共にすることになった。
それから10年後の今、初めの内は厚かった人間と魔族の壁はすっかりなくなり、この世はある1つの問題を除けば平和過ぎるほど平和になった。
ある1つの問題……。
それは封印された少年の残留思念から生まれる魔物の存在だった。
そこで人間と魔物は力を合わせ、魔物を滅ぼすため学校の教育課程に戦闘用魔法、戦闘に関する知識を取り入れ自分で自分を守れるよう、そして、少年から産まれる魔物を少しでも多く消すため、子供たちを教育することにした。
昔話はここまでにして
そろそろ物語に足を踏み入れることにしようか。
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