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気付けば、辺り一面の闇。黒い。果てしなく黒。ずっと一点を凝視していると思わず吸い込まれそうになる…そんな闇。視線をずらせば先程までの空間の闇がうねり、幾重にも絡み、奇妙な生物と化している。
「見なきゃよかった…」
若干、暗闇の中で動きが分かる事自体が気持ち悪いと言うのに、自らの好奇心と怖いもの見たさが仇なす形となってしまった。
余りの吐き気に左手で口を覆う。足元もあるか無いか分からない不安定な歪んだ空間の中で、それでも前進を続けた。
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