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「ん、あぁ~…。やっと久しぶりのベッドで寝れるぜ」
ナイズは伸びをしてベッド脇へと腰を下ろした。
「そうだ、ルイ。このあと風呂入りに行かね?」
「そうですね。行きましょう」
ナイズとルイの部屋だ。
ローズとアリサの部屋はこの部屋の向かいにある。
今回はローズの希望で広めな部屋になった。
普段は小さな街に小さな宿で、部屋を4人で1つと言うパターンが昨日まで続いていたせいで、ローズにとってかなりのストレスになっていたのだった。
ローズとアリサの部屋にて―。
「アリサ、左足見せて」
「大丈夫だよ、このくらいの捻挫」
ローズ達はここに来る途中、モンスターに出会した。
その時にアリサはまだ治ってもいなかった左足を更に、捻ってしまったのだ。
「ダメよ。ちゃんと治さないと」
「ううん」
そう言う事じゃないと言うように、首を左右に振ったアリサ。
「ローズ…。魔力が不安定な状態だから、使っちゃダメ」
「……そう」
少し目を伏せて呟いた。ローズ自身、こうなる理由は知っている。
「それじゃ、お風呂を出たらシップだけでも貼っておきましょう」
「うん」
アリサは、微かに微笑むローズに小さく頷いた。
(やっぱり、不思議な子ね…アリサって。私だけでなく誰の事も見抜いてる感じ――…)
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