3/8
前へ
/8ページ
次へ
「ん、あぁ~…。やっと久しぶりのベッドで寝れるぜ」 ナイズは伸びをしてベッド脇へと腰を下ろした。 「そうだ、ルイ。このあと風呂入りに行かね?」 「そうですね。行きましょう」 ナイズとルイの部屋だ。 ローズとアリサの部屋はこの部屋の向かいにある。 今回はローズの希望で広めな部屋になった。 普段は小さな街に小さな宿で、部屋を4人で1つと言うパターンが昨日まで続いていたせいで、ローズにとってかなりのストレスになっていたのだった。 ローズとアリサの部屋にて―。 「アリサ、左足見せて」 「大丈夫だよ、このくらいの捻挫」 ローズ達はここに来る途中、モンスターに出会した。 その時にアリサはまだ治ってもいなかった左足を更に、捻ってしまったのだ。 「ダメよ。ちゃんと治さないと」 「ううん」 そう言う事じゃないと言うように、首を左右に振ったアリサ。 「ローズ…。魔力が不安定な状態だから、使っちゃダメ」 「……そう」 少し目を伏せて呟いた。ローズ自身、こうなる理由は知っている。 「それじゃ、お風呂を出たらシップだけでも貼っておきましょう」 「うん」 アリサは、微かに微笑むローズに小さく頷いた。 (やっぱり、不思議な子ね…アリサって。私だけでなく誰の事も見抜いてる感じ――…) .
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加