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少女は少年から逃げ出した。
逃げて逃げて
少年が追いかけてもなお逃げて。
少女はまた、鳥籠の中に納まってしまった。
少年は籠の前までついてきていた。
少年は問う。
何故そこにいるのかと。
少女は答える。
ここがいいと。
あなたとは居たくないと。
少年は泣いた。
何故泣いたのか、少女には分からない。
考えてみる。
そうか。
傷つけてしまったのか。
少年にとっては、これが善意だと思っていたのだ。
少女は責めた。
少年を傷つけたことを。
少年は、二度と少女の前に姿を現さなかった。
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