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少女はふと、籠を開けてみようと思った。
たまには出てみるかという少女の気まぐれにすぎない。
少女は籠のふたを軽く押した。
ギギギとぎこちない音を立てて、
錆びていたせいか少々あきにくかったが、少し踏ん張ると簡単に開いた。
そして少女は、外へ足を踏み出した。
すると、少女の足は竦んでしまった。
前に進めない。
怖い。
これ以上進むと危険だ。
そう思い、少女はまた、鳥籠の中に納まった。
いつの間にか恐怖心も治まっていた。
やはり、少女にはここにいるべきなのだ。
ここが少女の居場所。
どこにも行く場所はない。
この扉を開けるべきではないのだ。
少女はそのまま、眠りに付いた。
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