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現れたのは、波打つ黒髪とアーモンド型の瞳をした声同様に、いや、その見事なプロポーション故、声以上に艶やかな美女だった。思わず十和が見惚れていると、その紅い唇が微笑を形造る。
そんな十和に、円と呼ばれた青年がとんでもないことを言った。
「……明日佳(あすか)に、惚れないでよね?」
「ふぇっ!?」
「ちょっと、円? 女の子にまでヤキモチを妬くの?」
言葉では呆れているが、美女――明日佳は、十和を威嚇する青年を見てますます楽しそうに笑った。
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