バレンタイン計画

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思い立ったが吉日、とばかりに十和は取材が終わった後、夜の街へとくり出した。 『和斗』だと騒がれてしまうので、髪を黒く染めて服も女物を着る。帰るのに、と歩には不思議そうな顔をされたが、買い物をしたいからと言ってテレビ局を出た。 「……高価(たか)いけど、何か違う」 結局、買うのは指輪にした。相手が歩だからこそ、特別なものをあげたいと思ったからだ。 けれど幾つかアクセサリーを眺めたがピンと来ず、十和はため息をついて百貨店を後にした。
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