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「ごちそうさまでした」
二人同時に完食すると、菜由は急いで歯を磨いて二階へダッシュした。菜由がいなくなったリビングは急に静かになった
「本当落ち着きのない子」
みぃさんは呆れたように言った後、コーヒーをすすった。
「あっ!春斗これ千里から送られてきたの」
みぃさんが封筒を渡してくれた。ちさとっていうのは俺の母親でみぃさんとは幼なじみらしい。海外で働いている母さんの代わりにみぃさんが世話をしてくれている。たかが幼なじみの子どもを養ってくれてるみぃさんは、寛大な人だと思う。
「儲かったから今月はお小遣い多めだって」
いつも小遣いは一ヶ月に一万円だったのに、封筒には二万円と手紙が入っていた。
仕事が忙しいのか連絡すら中々来ない母さんからの手紙は、何だか読むのに緊張する。
封筒から小遣いを取り出し、申し訳ないと思いながら財布にしまった。そして手紙を開いた。
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