幸福な日々

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綾乃さんを好きだという男女と俺を好きだという女子が一気に俺らの所に来て教室がパニックになった。 「あっ、二人ともおはようございま~す」 後ろから雪那の元気な声が聞こえてきた。振り向くと躓きそうな石が足元にある。 「ふにゃっ!!」 見事にこけた。側に行って手を貸してあげる。 「ありがとうございます。あっ、スイマセン。恋人同士の時間を邪魔してしまって」 「何言っているのよ、私達親友でしょ?気にしないで雪那」 この三ヶ月で親友にまで昇格した雪那。綾乃さんは友達が少ない……この言い方だと語弊があるな。一緒に遊ぶ女子が少ないと言っておこう。昔から人が遠慮して近づかないらしい。 皆、良家のお嬢様という位置付けにしているからである。 「相変わらず仲がいいですね」 「当たり前じゃない……お互いがお互いの事大好きなんだもの」 嬉しそうに俺の腕に抱き着いている。綾乃さんに大好きだと言われると自然と心が躍る。 「アツアツですね。男の人とそんなラブラブなんて羨ましいです」 「一日だけだったら翔を貸してあげてもいいわよ」 「むっ、遠慮しておきます。だって私だって翔君好きですけど、綾乃さんとのがお似合いなので結構です」俺らが付き合い始めてから一ヶ月程で雪那から告白を受けた。当然お断りした。その時、しばらくは諦めないと綾乃さんに言ったらしい。綾乃さんは当然警戒して、何日かは一日中抱き着いて雪那を警戒していた。 「強がってはだめよ」 「強がってるのは綾乃さんですよ!」 親友といいつつ日々お互いが俺の奪い合い。本当に親友というのか?まぁ二人とも本気で奪い合いしているわけではないので特に何もしない。俺は綾乃さんを愛すだけだ。
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