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「やっぱり二人はお似合いですね」
雪那が俺らの手を繋げ合わせる。
「羨ましいです。でもお二人ならうまくいくはずです」
そう言って綾乃さんに抱き着いた。綾乃さんは俺に抱き着き、その綾乃さんに雪那が抱き着いている。はたから見たら不思議な状況である。
「大丈夫よ雪那。素敵な彼氏できるわ。私だって出来たのよ」
「綾乃さんの場合は彼氏というより旦那じゃないですか!」
「なっ…………まだプロポーズされてないわよ」
「してもらってないんですか!?」
二人は何を……プロポーズって高校生で出来るような軽いものではないと思っている。やっぱり綾乃さんを養える経済力を持ってからだ。
「そういえば翔君とどこまでいったんですか~?」
「それは内緒。でも翔のいない所でなら教えてあげる」
二人は会話が盛り上がっている間に学校に着く。久しぶりだ。変わった点としては桜が咲いているだけだ。
「よっ相変わらずの仲良しぶりだな。それと雪那ちゃんも鷹杉さんといっそう距離が縮まったよな」
零治が俺の前の席に座りながら二人を見る。綾乃さんは俺の前で、俺の後ろは雪那である。名前順で席が決まっていたのでありがたい。綾乃さんが側にいるのは嬉しい。
「早いよな……もう二年だぜ?高校生活も折り返しに近くなるよな」
「そうだね」
三年になったら大部分は受験モード。俺も大学に行こうかと思っている。どの分野かは決めてない。けど綾乃さんはどうするのだろう?まぁ今はいいか。
「今年は楽しい事だらけだからな。ぱぁ~っと遊ぼうぜ」
ぱぁ~っと遊びたいが、今年一杯までは仕事をするのだ。新年になり皐月君に結果を報告した。俺の発言に少し頭を抱えていた。その話はまた今度だな。
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