幸福な日々

5/19
前へ
/62ページ
次へ
「やっぱり二人はお似合いですね」 雪那が俺らの手を繋げ合わせる。 「羨ましいです。でもお二人ならうまくいくはずです」 そう言って綾乃さんに抱き着いた。綾乃さんは俺に抱き着き、その綾乃さんに雪那が抱き着いている。はたから見たら不思議な状況である。 「大丈夫よ雪那。素敵な彼氏できるわ。私だって出来たのよ」 「綾乃さんの場合は彼氏というより旦那じゃないですか!」 「なっ…………まだプロポーズされてないわよ」 「してもらってないんですか!?」 二人は何を……プロポーズって高校生で出来るような軽いものではないと思っている。やっぱり綾乃さんを養える経済力を持ってからだ。 「そういえば翔君とどこまでいったんですか~?」 「それは内緒。でも翔のいない所でなら教えてあげる」 二人は会話が盛り上がっている間に学校に着く。久しぶりだ。変わった点としては桜が咲いているだけだ。 「よっ相変わらずの仲良しぶりだな。それと雪那ちゃんも鷹杉さんといっそう距離が縮まったよな」 零治が俺の前の席に座りながら二人を見る。綾乃さんは俺の前で、俺の後ろは雪那である。名前順で席が決まっていたのでありがたい。綾乃さんが側にいるのは嬉しい。 「早いよな……もう二年だぜ?高校生活も折り返しに近くなるよな」 「そうだね」 三年になったら大部分は受験モード。俺も大学に行こうかと思っている。どの分野かは決めてない。けど綾乃さんはどうするのだろう?まぁ今はいいか。 「今年は楽しい事だらけだからな。ぱぁ~っと遊ぼうぜ」 ぱぁ~っと遊びたいが、今年一杯までは仕事をするのだ。新年になり皐月君に結果を報告した。俺の発言に少し頭を抱えていた。その話はまた今度だな。
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2266人が本棚に入れています
本棚に追加