幸福な日々

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「翔……席が近くてよかった」 綾乃さんはいつの間にかこちらにきて抱き着いてきた。周りの人はいつもの事なのでスルーしていた。綾乃さんは満足したのか、雪那と喋り始める。 「だが今日初めて知ったが、クラス変わんないんだな」 「みたいだね、三年生の時だけ学力順に変わるみたいだけど」 でも綾乃さん達と一緒なのはよかった。綾乃さんは寂しがり屋なので休み時間とかいつも来そうだ。 「今日ご飯食べに行きませんか?」 雪那が俺に向かってそう言う。綾乃さんを見ると怒っている。そして目で訴えている。「二人きりで食事?私以外の人と?」 「あっ、勿論皆ですよ綾乃さん。流石に人の旦那様に手をだしませんから」 「旦那って……だからそんなんじゃ」 「一緒に暮らしているんですから似たようなものですよ!」 胸を張って言う雪那の声は大きかった。クラスが一瞬沈黙……皆俺と綾乃さんを見ている。視線が痛い。ちなみに悠紀いわく視線で人が死ぬ確率は0.0000000000000675%あるらしい。存在そのものが暴力の人から聞いたらしい。 「鷹杉さんと龍波君今の話本当?」 クラスの女子は食いついてきた。綾乃さんは真っ赤になって否定しようとしているが質問責めでついに頷く。質問の照準は俺にも向く。 「翔、私恥ずかしくて死にそう」 「俺もですよ」 俺らに質問をしてくる女子。一緒に暮らしている理由は黙った。それは流石に言えなかった。質問責めは担任が来るまで続いた。 ◇◆◇◆ 「皆元気~、私も元気だったよ」 高島先生が元気よく挨拶してくる。どうやら担任も変わらないみたいだ。
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