8人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「ここは…?」
「わしの家じゃ、三日前に河原でお主を見つけて、ずっと看病してやっていたのじゃ、感謝するのじゃな」
女の子が薄く微笑んだ。
周囲を軽く見渡す。
部屋の真ん中に、体中に包帯を巻かれ、布団に寝かされた自分がいた。
「手当ても、きみが?」
「当たり前じゃ」
しばらくの間沈黙が場を支配する。
女の子が、黙々と包帯を取り替えていた。
額の汗を拭いて、やっと女の子が口を開く。
「お主、名前は?」
もやに包まれた意識で、ゆっくりと口を動かした。
「佐藤、翔(さとう かける)」
最初のコメントを投稿しよう!