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ふすま戸のむこうから聞こえる声はなぜか いつもの喧嘩する声と自分の事をなにやら話している…そんな神経の張り巡らせようだった。
母から聞いたのだが、父は実家を担保に借金をし売り飛ばしたぐらいで、身内から縁を切られたという。現に僕は父の身内に逢ったことがない。
そんな父と母の毎日の喧嘩の絶えない暮らしの中で、僕は生きていた。
母は僕が三才の時、生活苦から共働きを考え、僕を保育所に預ける事を決断。
その決断が未だに人間関係で尾をひく影響を鮮明に焼き付けることになるのである。
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