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プロローグ
「僕はやってない!!クリスタルなんか盗んでないっ!!」
聖域とも呼ばれる、クリスタルの間に僕の怒鳴り声が響く、周りにいるのは親族である、バルディ家の面々や、執事や、メイドなどだ。
誰もが僕を、一家の恥さらしといったような蔑みの対象というような視線を浴びせてくる。
「ならば、なぜ立入禁止区域であるクリスタルの間にお前が居るのだ!!」
入口前で怒鳴っているのは、ハイビヨンドの国王である、ロン・バルディ、つまり僕の父親だ。
「知らないっ!!僕は単にタンザ大臣にここへ来いって言われたからここへ来ただけだっ!」
「でも、ここへ来たら既にいなくて、しばらくして父さんが来たんだっ!」
事情は全て説明した、だが、誰もが僕を憐れむような目で見てくる。
一人は“見損ないました”だの“王子として恥ずべき行為です”などと声が聞こえてくる。
「……デュン、そんな嘘を付くとはな、失望した、明日からお前をこのハイリヨンドから追放の身とする」
しばらくして、二人の衛兵が僕の両腕を掴むと強引に外へと追い出した。
僕は呆然としていて、しばらく二人の衛兵に抱えられながらハイリヨンド城を追い出された。
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