異才の世直し

貴族社会と仲間

「お前が抱えてる物がいかほどのものかわからんが…俺は俺のため、亡き家族のため、そこにいるｲﾂﾐのため、負けるわけにはいかない！」

その瞬間…ﾋﾃﾞｷから殺気とも、覇気ともとれる空気が場を支配する。

「やっぱり普段は押さえてたんだな。それでも誰も勝てないのだから大したもんだ！」

つぶやくように笑いながら言うｹｲﾝ…

すると、
ｹｲﾝは両手を上げて降参の意思をしめす。

「おじけづいたのか？」

「今殺るには惜しいと思っただけさ！
次の生徒会長に俺はなる。そしたら貴様ら平民の立場など、奴隷並になるだろうな！
楽しみだ！！」

ｹｲﾝは高笑いしながら続ける。

「今のことはまだ内緒にしてくれよ！
今のところ、お前の大事な人間には危害くわえるつもりはないからな」

その言葉にﾋﾃﾞｷの眉毛がつり上がり、殺気が滲み出る……

「お前が俺の大事な仲間に危害を加えなければ、俺も何も言わない。が、そういった考えで、会長になって、差別社会に拍車をかけてみろ…お前の家潰すぞ」

何か言いたそうにしていたがﾆﾔﾆﾔしながらｹｲﾝは去って行った…

「胸くそわりぃﾔﾂだ」

ﾋﾃﾞｷは苛ついている。

「多分ﾋﾃﾞｷの力を確認したいだけだったと思うよぉ」

ｲﾂﾐは特殊な属性を持っており、ｹｲﾝの本心を見抜いていた。

「そうだとしても、嫌なﾔﾂだな。
伊集院……ｱﾉ4大貴族か」

ﾋﾃﾞｷは不気味な微笑みを浮かべ寮にむかってあるきだす。

ｲﾂﾐも続くが、『4大貴族』には因縁があるようだ。