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単純に80対1といっても、相手はこの作戦を知らない。
とりあえず全員で特待生クラスのA組を叩けばどうにかなるだろと考えている。
『ピィィーーー!!』
そして、始まりの笛が鳴り響いた!
A組の本拠地では、フラッグにヒデキを残し、食料と休憩所、水や水浴びのための場所の確保するため、イツミの指示の元動いていた。
一方1人飛び出していったケインはリーダーフラッグを求め、気配を探っていた。
ヒデキ達と同じく、まずそれぞれのクラスのチームは、食料など、生活に必要な物を集めているのだろう。だが、リーダーはその場を離れられない。
ケインは極力気配を消しつつ動きがないリーダーと思われる魔力を探知し、護衛をつけていない1人であろうチームリーダーを探知し、走り出した!
森をぬけると切り株に座る1人の男と対峙する。
「1人でやってくるとはいい度胸だな。
いくら特待生とはいえ、もうすぐ仲間もかえってくる。ここは引いたほうが身のためではないか?」
リーダーなのだから、それ相応の実力はあるのだろう。そして、仲間が引き返してくる時間を決めていたため強気にでる。
その強気な態度にプライドの高いケインはイラつく。
「やかましい野郎だ。殺すのはうちのリーダーの意に反するらしいから、おとなしくフラッグを渡せ!!」
ケインから放たれる殺気に、リーダーは動けない。
ケインはゆっくり歩き、フラッグをベルトにさす。
フラッグを回収すると、ケインから放たれていた殺気はおさまる。
「賢明だ。納得できないだろうが、ケガもせず、仲間を守れたと思え!
まぁ責められるだろうがな」
それだけ言い残し、ケインは姿を消した。リーダーの男はまだ立ち上がれずにいた…
「あなどりすぎた……まさかこれほど差があるなんて」
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