ＭＳＴ1３Ｍ＝2011/07

勇気って

執刀医の説明によると、開腹後、転移状況から、本当ならすぐさま縫合し手術終了になるはずの癌にもかかわらず手術を続行したのは、、３週間程前より父の胃袋は悪魔（＝がん細胞）に支配され機能しておらず、そこからの多量の出血により病院に運びこまれた経緯を踏まえ、抗がん治療を受けるにあたって、経口での抗がん剤投与や、本人の意思での痛み止めの服薬を可能にするのと、食事が出来る喜びを本人に与える為に切除不能癌であるにもかかわらず、生活の質向上を意図し、胃袋をほんの少し残す方法で切除したらしい。
どっか痛いトコある？　ホンマに痛ないん？すごいな～　明日には歩けるんやて　等の当たり障りの無い会話をしているが、心の中では、いっぱい美味しいもの食べさしたるからな　どっか行きたいトコある？好きなお酒なんぼでも飲んでもええで。　何やったら、２０年前にやめたタバコ吸ってもええし。
満面の笑みをたたえた英雄に、明日への希望を語る父に、看護婦とはしゃいでるエロじじいに、今伝えるのは酷過ぎる。しかし、月曜日には執刀医から説明を受けるであろう父に、もう一度立ち向かえとも言う勇気は無い。