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「運命なんて俺は信じちゃいねぇんだ。だって考えてみろよ、一万歩譲ってあるとして誰がそれを決めるんだよ。神様か?仏様か?ああいっそ悪魔ってのもありかもなぁ。だけどよぉ、そいつらの運命は誰が決めるんだ?まさか自分で好きな運命に出来る訳もねぇもんなぁ。二万歩譲って運命があるとしても、そいつはきっと誰かが決めるんじゃなくて自分で決めるもんだ。なぁそうだろwww」
「わ、悪かった!俺が悪かったから許してくれよぉ!」
帰って来た返事は返答になってはいなかった。
俺はニマニマと自分でも俺キメェwと自賛出来る笑顔で、恐怖に顔を歪めてはいつくばっているそいつの顔を見た。
まさか、今このご時世にカツアゲとかされるなんて思わないだろフツーw。
いやー、爆笑もんだった。
何となく、いつの間にか何人かに囲まれていた事は覚えている。
だが今周囲に誰もいない事を考えると、他は逃げ出したのだろう。
残されたこいつテラカワイソスwww
カツアゲした理由を運命がどうとか言っていた男にはマジで吹き出した。
20手前のゴツい兄ちゃんが運命とかマジ犯罪レベルだろwww
「次カツアゲする時はちゃんと相手選べよな」
そいつに背を向け、俺はさっさと歩きだす。
これじゃ俺が弱い者イジメをしてるみたいだぜ。
多分俺が被害者なのに、全く後味が悪い。
「……んの野郎、調子のんじゃねーぞ!」
ゴッ、と鈍い音と痛み。
倒れそうになりながら振り返ると、バールを手にするそいつの顔が見えた。
それはそれは酷いどや顔だった。
「調子に乗りやがって……死ねや!」
再び振り下ろされたバールを片手の平で受け止める。
驚愕するそいつを余所に、俺は腹を抱えて笑い出したい衝動をこらえていた。
「ねぇ今どんな気持ちwwwカツアゲしようとして返り討ちに合うのってどんな気持ちなのwww」
男の襟首を掴み、片手で持ち上げる。
「くたばりやがれぇええ!」
「ぎゃああああああああ!」
バタバタと手足を動かしてもがく男を、俺は思いっきり頭から地面に叩き付けた。
コロリ、と男のポケットから落ちたタバコの箱を踏み付けて俺は言う。
「タバコは二十歳になってから。魔法は三十路になってから」
やべ、俺カッコイイかもwww
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